電流の磁気作用
電磁気の説明でよく使われる用語
電気の分野では、磁気の力がおよぶ空間のことを「磁界」と呼びます。(物理分野では「磁場」と言います。)
そして磁界中での力のおよびかたを視覚的にイメージできるように、仮想的な矢印で書き表したものが「磁力線」です。
磁力線が単位面積を通過するときの垂線成分のことを「磁束」といいます。
電流で発生する磁界(アンペールの右ねじの法則)
電線に電流を流すと、その電線の周りに磁界が発生します。そのときに発生する磁界の向きは、電流の向きを右ねじの進む方向に例えると、ネジを締め付ける回転方向(右回り)に一致するので、この現象を発見者の名前をとってアンペールの右ねじの法則といいます。
電線に流れた電流の大きさと磁界の強さの関係は、下図のようになります。
電線相互に働く力
離れた2本の導線にそれぞれ電流を流すと、お互いから発生する磁界が作用しあって導体相互に力が働きます。並行した導体の場合、電流が同じ向きのときには引きつけ合う力(吸引力)が、電流が逆向きの時には反発し合う力(斤力)が働きます。力の大きさは、導体間の磁界の通りやすさ(透磁率)に比例します。
電磁誘導とレンツの法則
空間の磁界が変化すると、その空間に電流が発生します。この現象は電磁誘導と呼ばれれ、この電流を発生させる力のことを「誘導起電力」と呼びます。
電磁誘導によって発生する誘導起電力は、空間に起こった磁束の変化を妨げる向きに電流が流れるように発生します。これがレンツの法則です。
電磁作用と電磁力(フレミングの左手の法則と右手の法則)
磁界の中に置いた導体に電流を流すと、その導体を動かそうとする力(電磁力)が働きます。それが電流の電磁作用です。電磁力のおよぶ方向は、左手の親指、人差し指、中指をそれぞれ直角に伸ばしたときの親指の向きが電磁力、人差し指が磁界の向き、中指が電流の向きを示すことから、発見者の名前をつけてフレミングの左手の法則と呼びます。この法則が電動機の回転の基本原理です。
また、右手の親指、人差し指、中指にそれぞれ力、磁界、起電力を当てはめると、発電機の基本原理が説明できます。これがフレミングの右手の法則です。
まとめ
今回は電流の磁気作用について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますので、よく理解しておきましょう!
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