今回は三相短絡電流と遮断容量について学習します。
三相短絡電流と遮断容量
高圧遮断装置の定格遮断容量の整定
電路が短絡(ショート)すると、ほかの事故とは比べものにならないほどの大きな短絡電流が流れます。高圧受電設備には、短絡電流を遮断するために高圧交流遮断器(CB)あるいは高圧限流ヒューズ(PF)を設置しますが、それらは短絡電流を確実に遮断できる余裕のある機器を選ばなければなりません。高圧遮断器の定格遮断容量を決めるためには、まず短絡電流の算出が必要になります。そして定格遮断容量が短絡容量よりも大きいものを選定し、短絡電流を確実に遮断するように整定します。
単相短絡電流の計算法
短絡電流は、短絡箇所から電源側にあるインピーダンスに定格電源電圧がかかって流れる電流です。ですから、短絡電流を求めるにはこのインピーダンスを求めればよいことになります。たとえば、電線や機器のインピーダンスをそのまま合計してオームの法則から短絡電流を求める方法は、オーム法と呼ばれます。
短絡電流=定格電源電圧/インピーダンス
パーセントインピーダンス(%Z)を使う短絡電流の算出法
短絡電流を求めるときによく使うのがパーセントインピーダンス法です。パーセントインピーダンスは、短絡試験を行って求め、そこから短絡電流を算出します。
【変圧器の短絡試験】
①一次側に電圧計、電流計をつなぎ、二次側を短絡する
②一次側の電圧をゼロから少しずつ上げていく
③一次側の電流が変圧器の定格一次電流になったとき(二次側には定格電流が流れてる)、一次側の電圧を測定します。
この電圧をインピーダンス電圧といいます。
パーセントインピーダンス(%Z)がわかれば、変圧器の定格二次電流値から短絡電流や短絡容量が算出できます。
単相短絡電流=変圧器の定格二次電流値/パーセントインピーダンス*100[A]
単相短絡容量=変圧器の二次側定格容量/パーセントインピーダンス*100[V・A]
まとめ
①パーセントインピーダンス=(インピーダンス電圧/定格一次電圧)*100[%]
②高圧遮断器の定格遮断容量>=遮断器の定格電圧/送電路の線間電圧*三相短絡容量
今回は三相短絡電流と遮断容量について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますので、よく理解しておきましょう!
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