変圧器の損失と最大効率

変圧器の効率 第1種電気工事士

今回は変圧器の損失と最大効率について学習していきます。

変圧器の損失と最大効率

無負荷損と負荷損

変圧器に与えられた電力がそのままロスなく負荷に供給できれば理想的ですが、実際には変圧器の内部で若干の電力損失が生じます。その電力損失の原因は、負荷を接続していなくても生じる損失と、負荷に電流が流れたときに発生する損失の2つに大きく分けられます。前者を無負荷損、後者を負荷損と呼びます。



無負荷損の発生要因は、一次側の巻線で発生した磁束が鉄心を通って二次側巻線に100%伝わらないことによるものです。鉄心で起こる損失のため、鉄損と呼びます。鉄損には、うず電流損ヒステリシス損があり、負荷電流に関係なく一定です。

いっぽうの負荷損の最大要因は、巻線の抵抗によって生じる熱損失で、銅損と呼びます。銅損はジュール熱による損失ですから、負荷電流の2乗に比例して増えます。

うず電流損とヒステリシス損(鉄損)

うず電流損は、鉄心を貫く誘導磁界が変化することでうず電流が発生して、その電流によって熱損失が発生するものです。そしてヒステリシス損は、鉄心内の磁気分子が振動してその摩擦が電力ロスとなるものです。

変圧器の最大効率

変圧器の損失と効率をグラフに表すと、下図のようになります。つまり、鉄損と銅損が等しくなるときが、もっとも効率が良くなるのです。

変圧器の効率

最大効率条件 鉄損=銅損

まとめ

①変圧器の損失は、鉄損+銅損。鉄損は、うず電流損+ヒステリシス損

②鉄損は一次電圧の2乗に比例して、負荷電流に無関係に一定

③銅損は負荷電流の2乗に比例

④変圧器の効率が最大になるのは、鉄損=銅損のとき

今回は変圧器の損失と最大効率について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますのでよく理解しておきましょう!



 

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