単相交流の電力と力率

電気工事士 第1種電気工事士

今回は単相交流の電力と力率について学習していきます。

単相交流電力と力率

単相交流の電力(有効電力、無効電力、皮相電力)

交流回路に入力される電圧Vと電流Iの各実効値を単純に積算して求める電力=VI【V・A】(ボルトアンペア)のことを「皮相電力」といい、これは見かけ上の電力を表します。



この皮相電力のうち、抵抗負荷で実際に消費される電力(消費電力)を「有効電力P[W]といい、それ以外のものを無効電力Q「var(バール)」といいます。

このとき、見かけの皮相電力に対する有効電力の比率を「力率」といい、cosθ(コサインシータ)で表します。そして有効電力はP=VIcosθ[W]という式で求めます。

交流回路で無効電力が発生する理由は、インダクタンス(コイル)や静電容量(コンデンサ)が回路内にエネルギーを蓄え、それを電源側に戻す性質を持っているためで、そのやりとりのための電力(無効電力)が発生するのです。力率が悪い(無効電力が大きい)電気機器は、力率がよい機器と比べて、同じパワーを出すのに大きな電流が必要になります。

電力と力率

力率が悪い(cosθの値が小さい)と、負荷に対して大きな電源容量が必要になります。また、力率100%(cosθ=1)の時、無効電力は0になります。

皮相電力S、有効電力P、無効電力Qには直角三角形の関係があり、この三角形は「電力の三角形」として、交流電力や力率の問題を解くときには常にイメージしておきましょう。

電力の三角形

電力量と平均力率

電力に時間を乗じると電力量が求められます。

有効電力量=有効電力×時間[kW・h]

無効電力量=無効電力×時間[kvar・h]

皮相電力量=皮相電力×時間[kV・A・h]

そして、皮相電力量に占める有効電力量の比が平均力率です。

 

まとめ

皮相電力S[V・A]=電圧V×電流Iで求める見かけの電力

有効電力P[W]は、抵抗で実際に消費される消費電力

力率cosθ=有効電力P÷皮相電力S

④力率が悪いと、同じパワーを出すのに大きな電流が必要

今回は単相交流の電力と力率について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますのでよく理解しておきましょう!



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