屋内電路と過電流遮断器

配線用遮断器 第1種電気工事士

今回は屋内電路と過電流遮断器について学習していきます。

屋内電路と過電流遮断器

幹線と分岐回路(負荷回路)

低圧屋内配線は、幹線と分岐回路(電灯や電気機器などをつなぐ負荷回路)で構成されます。幹線に負荷を直接接続してしまうと、負荷の点検や異常時に負荷回路ごとに電路が切断できなくて不便なので、負荷をつなぐには必ず開閉器(分岐開閉器)を設けてそこから分岐回路を施設して負荷を接続します。ですから幹線に負荷を直接接続することはできません



なお、幹線のすべての電路で同じ許容電流値は必要ないので、設備コストを考慮して、幹線をさらに細い幹線に分岐して配線することもよくあります。分岐した細い幹線のことと、分岐回路(負荷回路)を混同しないようにしましょう。

過電流遮断器の施設

屋内配線の電線や電気機械器具を過電流や短絡による焼損から保護するために電路に施設するのが過電流遮断器です。過電流遮断器は、幹線、幹線から分岐した細い幹線、そして分岐回路の各回路に施設します(電路の分岐点から原則3メートル以内の場所に施設する)。

低圧屋内配線用の過電流遮断器には、ヒューズと配線用遮断器(ブレーカ)がありますが、試験ではとくに配線用遮断器の定格電流と動作時間に関する問題がよく出ます。

定格電流というのは、常時流し続けてもよい電流値のことです。

配線用遮断器

過電流を感知して接点を自動的に開き、電路を遮断する。

配線用遮断器

モータブレーカ

電動機用の配線用遮断器。電動機の過負荷保護を兼ねているので、1,5kWなどの電動機の容量表記があるのが特徴。

モータブレーカ

配電方式による過電流遮断器の施設場所

過電流遮断器を電路に施設する場合、配電方式によって注意すべきポイントがあります。

まず、過電流遮断器は電路を保護するのが目的ですから、各極に入れるのが原則です。ただし、単相2線式100V配線では、接地側電路の過電流遮断器を省略できます。この場合、2極1素子(1つの過電流素子で両極を同時に遮断する構造:2P1Eと表示)の配線用遮断器を使用できます。

また単相3線式配線では、中性線が遮断されると200Vの電圧が不均等に電気機器に加わって危険なため、中性線に過電流遮断器をつなぐことは原則禁じられています。

まとめ

①過電流遮断器は電線を守るために回路ごとに施設する。

分岐回路の分岐点には開閉器および過電流遮断器を施設する。

③配線用遮断器の遮断動作時間定格電流の2倍で2分または4分

④単相3線式配線の中性線への過電流遮断器施設は原則禁止

今回は屋内配線電路と過電流遮断器について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますので、よく理解しときましょう!

 

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