保護継電器の試験

水抵抗器 第1種電気工事士

今回は保護継電器の試験について学習します。

保護継電器の試験

過電流継電器の試験

過電流継電器の特性は、電流が整定値以上になると動作する定限時特性と、電流の大きさに反比例して動作時間が変化する半限時特性がありますが、試験では定限時特性に関して覚えます。



過電流継電器の主な試験項目は、動作電流特性試験と限時動作時間特性試験です。どちらの試験も、継電器が作動して遮断器が遮断動作を完了するまでの電気的特性を測定します。

①動作電流特性試験・・・動作時間目盛りを1にして最小動作電流を測定します。

②限時動作時間特性試験・・・動作時間目盛り10と整定目盛りについて、整定電流タップの300%(700%)の電流を流した時の動作時間を測定する

⒈最小動作電流は整定値±10%以内

⒉限時動作時間は公称動作時間に対して300%のとき±17%以下、700%のとき±12%以下

地絡継電装置の試験

地絡継電装置の特性試験も、動作電流特性と動作時間特性を測定します。

①動作電流特性試験・・・電流を徐々に増やして最小動作電流を測定する

②動作時間特性試験・・・整定電流タップの130%と400%電流を流した時の動作時間を測定する

⒈最小動作電流は整定値±10%以内

⒉動作時間は整定電流値130%で0.1から0.3秒 整定電流値400%で0.1から0.2秒

継電器と遮断器の連動試験

高圧受電設備の配電盤には、保護継電器の試験時に用いる試験用端子が備わっています。試験端子は上下に3つずつあり、上列の端子は過電流継電器が、下列の端子は変流器の二次側につながっています。

通常の運転時には、上下の試験端子は短絡片でつないでありますが、試験時は、上側の継電器の端子にサイクルカウンタなどの試験装置をつなぎます。その際、変流器の二次側は開放すると変流器に高圧が発生して危険なので、変流器側の端子は必ず短絡しておかなければいけません。

差込形試験用プラグ

継電器の試験用差し込み端子。VT用とCT用がある。

差込形試験用プラグ

保護継電装置の試験用機器

継電器の特性試験に使用する機器を覚えましょう。

水抵抗器

試験用電圧・電流をつくるための調整用抵抗器。水に浸かる電極の面積を調整して希望の電圧・電流を得る

水抵抗器

サイクルカウンタ

継電器の動作時間を測定する装置

サイクルカウンタ

試験用変圧器

絶縁耐力試験などの試験用高圧をつくるための変圧器。これがあれば単相変圧器は不要。

 

 

摺動抵抗器

つまみをスライドして抵抗値を変える可変抵抗器。試験用の電流を得るために使用する。

 

継電器試験装置(マルチリレーテスタ)

過電流継電器や地絡継電器の試験に用いる装置。

 

継電器試験装置(GR・DGRリレーテスタ)

地絡継電器と地絡方向継電器の試験に用いる装置。

 

まとめ

①継電器の動作時間を計測するサイクルカウンタ

②最小動作電流は、継電器整定値の±10%以内

③地絡継電器の動作は整定電流の130%で0.1から0.3秒

④地絡継電器の動作は整定電流の400%で0.1から0.2秒

今回は保護継電器の試験について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますので、よく理解しておきましょう!

 

↓こちらの商品を購入して一緒に第1種電気工事士の試験に合格しましょう!!