今回は低圧電路(電線路)の絶縁測定について学習していきます。
低圧電路(電線路)の絶縁測定
「低圧電線路」の絶縁特性
「低圧電線路」とは、一般的には一般送配電事業者から需要設備に低圧で電気を引き込む電路のことを言い、その電線相互間および電路と大地間の絶縁性能は、使用電圧時の漏えい電流が、電線1条あたり電線路の最大供給電流の2000分の1を超えないようにしなければならないと、規定されています。この規定は、受電点以降の引き込み配線や、高圧受電設備の低圧変圧器の二次側低圧幹線についても対象となり、需要家が遵守しなければなりません。
たとえば単相3線式による低圧電線路の場合は、電線が3本ですから、漏えい電流は最大供給電流の2000分の3未満となります。
負荷につながる「低圧電路(分岐回路)」の絶縁性能
開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる「低圧電路(分岐回路)」の絶縁性能は、電線相互間および電路と大地ともに絶縁抵抗値以上を保たなければならないと規定されています。ただし、当該電路が停電できないなど絶縁抵抗の測定が困難な場合は、電路の漏えい電流が1mA以下であれば同等の絶縁性能を有するとみなされます。
「低圧電路」の絶縁抵抗の測定法
低圧電路の絶縁抵抗は、電路に定格のピーク電圧以上の直流電圧を印加して測定します。乾電池式で電圧を昇圧するものや、ハンドルを回して電気を起こす絶縁抵抗計があります。
低圧電路と電線相互間の絶縁抵抗測定
①ブレーカーを「切」る
②屋内電路の点滅器は「入」れる
③負荷(電球や機械器具類)は外す。外せないときはスイッチを切る
④コンセントは抜く
低圧電路と大地間の絶縁抵抗測定
①ブレーカーは「切」る
②線間は短絡する
③屋内電路の点滅器は「入」れる
④負荷(電球や機械器具類)は接続したまま
⑤コンセントは差しておく
⑥機器は使用状態に
「高圧ケーブル」の絶縁抵抗の測定法
高圧ケーブルの漏えい電流は、絶縁物の中を貫通する電流と、絶縁物の表面を流れる電流の合計です。本来なら、絶縁抵抗は絶縁物の中を貫通する漏えい電流のみで計測すべきものですが、高圧ケーブルの測定では、絶縁物表面の漏えい電流が大きくなり、測定誤差が生じてしまいます。その誤差を防ぐために、絶縁抵抗計の保護端子(ガード端子)を使ってガード回路を構成して測定します。
まとめ
①絶縁抵抗の測定は低圧電路の絶縁検査が主目的
②電路間の測定は、機器を外して、照明の点滅気を閉じて行う
③漏えい電流は、1mA以下(開閉器または過電流遮断器で区切る電路)
④高圧ケーブルは、絶縁体表面を保護(ガード)端子につなぐ
今回は低圧電路(電線路)の絶縁測定について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますので、よく理解しておきましょう!
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